本屋さんのビジネス書の片隅に必ず置いてある分厚い本「影響力の武器」は、1985年初版のかなりのベストセラー本です。
そんな「影響力の武器」の中にある一つのテクニック、「コミットメントと一貫性」をちょっと利用して、こちらを子育てに応用できないかということで、考えたことをまとめました。
【影響力の武器】とはどのような本か?
本屋さんのビジネス書コーナーに真っ青で分厚い、注意深く見ないと見つけられないこの本は、1985初版でかなり古い内容が書かれていますが、今でも通用し、人に影響を与える心理学の原理が書かれています。
この本の著者、チャルディーニ氏も元々は騙されやすい人間だったそうで、その中でも研究のためにいろいろな所に潜入してその研究結果や過去にあった事例などを紹介しています。
その中から、人に影響を与える6つの心理学的な要素が書かれていて、その要素というのが下の6つに分かれています。
- 返報性
- コミットメントと一貫性
- 社会的証明
- 好意
- 権威
- 希少性
この本はマーケティングのカテゴリの棚にあるんですが、物を売る時の勧誘によく使われている手法なんですよね。あと説得をするときなど。
なので営業をされている方や何か物を販売する人向けの本なのですが、一般的にも人がどのように騙されて物を買っていくのかを知ることができるので、そういう意味でも自己啓発やらやる気に満ち溢れている理由だけでセミナーに行こうとする人など、「ちょっと待って、これ読んで!」という意味で引き留めておすすめしたい本でもあります。
この本の中でも書かれている、人が盲目的に起こしてしまう行動パターン「カチッ、サー」という機械的な行動パターンは、研究結果やいろいろな事例で起こるのですが、その事例もアメリカの古い出来事が紹介されています。
しかし現代でも通用すると感じるものがほとんどなんですよね。
そしてこの中から、「コミットメントと一貫性」という原理は子どもの目標や何かをやり遂げてほしいときに使えるのではないかと思いました。
実はそう思い起こさせた出来事が最近あったのです。
「コミットメント」を子育てに応用する方法
「コミットメントと一貫性」とは、人間は何かをやり遂げるときに、その出来事に関して一貫した行動をとろうとする傾向があるという原理です。
なので自分で何かをやり遂げたい、例えば今日中にやっておきたい仕事などを何か紙に書き出してみたり、周りの人に話すことで、自分の言ったことに矛盾した行動をあえてとらせないこともできるということです。
ところで、子どもの中でもつまずきやすいできごと、例えば学校から帰ってきてなかなか宿題に取り掛かれないとか、早起きができないなどといったことに対して、親から一方的に早く宿題をしなさいとか、早く寝なさいなどと言っても、なかなか子どもには通じないことが多いですよね。
そんな時に子どもに対して、自分で宿題を早く終わらせたい、早起きがしたいという目標を言わせるようにし、その目標が達成できるように一歩下がって支援する、そうすると子どももスムーズにできなかったことができるようになるのではと思いました。
そのようなことに気づかされた出来事が、先日あった三者面談なんですよね。
勉強の目標を子どもに分かるように話す
具体的には学期末テストまでに何点取るか、ということを子どもに分かってもらうということなんですが、ここでいきなり「今度のテストで80点以上取る!」と言わせても意味がないんですよね。
子どもの中では80点以上取るという目標までのプロセスがぼんやりとしていて掴みにくいということなんです。
そこで三者面談で先生と話をする中で、まず、子どもの勉強の中で現時点で何ができていないか、今どこが苦手かなどを分かってもらうという話し方をされていました。
こうすることで目標となる点数の取り方が子どもにとっても分かりやすくなります。
そして最後に、「学年末のテストで80点以上取る」と言わせるのです。
勉強以外でも、日々の子育てでも使えそうな方法
この「コミットメントと一貫性」は、早起きをしたり、なかなか始めない宿題をさせるときにも利用できそうです。
しかしこの場合でも、すぐに結論を言わせるのでなく、段階的に目標を言わせるようにしないと理解してくれなさそうです。
宿題を始めない場合には、今どうして宿題を始められないのか、見たいテレビなど、今絶対やっておきたいことと必要ないことはどれなのかなどを言わせるといいかもしれませんね。
「コミットメント」を資格試験の勉強に応用してみる
以前使っていた資格試験のテキストには、「合格するという目標を周りの人に言うべし!」というしおりが入っていました。
今思うとこの原理を使っていたのかなあと思います。
その中でも日々の勉強時間や毎日の目標を立てることも子どものしつけと同じで、自分の頭に理解させるプロセスなんだろうなと思います。
勉強時間や計画の立て方は、以前にも手帳の使い方などで紹介しましたね。

【武器】も使いようだなと
とはいえこの「影響力の武器」という本はマーケティングや営業をする方向けに書かれた本であるし、この本で書かれたことを利用するとどんな商品でも人に買わせることができるという、確かに「武器」の要素を紹介しているものなので、どう使うかはその人によりますね。

ナイフや銃と同じもの。知っておいたら自分の身を守るものにもなるし、人を攻撃することもできる。
ちょっと値段はしますが、それだけの価値はあるんでしょうね。